あきゅらいず美養品 代表
南沢 典子


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演出家・小池博史ブリッジプロジェクト 代表
小池 博史
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2013年2月22日-24日に実施の「注文の多い料理店」東京初演@あきゅらいず美養品“森の楽校”を記念し、特別対談をおこないました。 あきゅらいず美養品代表・南沢典子と、元パパ・タラフマラ主宰で演出家の小池博史によるちょっと不思議なお話。4回に分けてのレポートです!どうぞお楽しみください。

 「可能性に向かって」

南沢

「注文の多い料理店」は、どんな方々が見に来てくれるんでしょう。

小池

世界に疑問を持っている人、少し変かもしれないって思っている人は、みんな見てほしいですね。



南沢

相当いると思いますけどね。

小池

そうですね。ただ、根源的な感覚から疑問が沸いてくると言っていいでしょうか。その感覚がわかる人とわからない人がいます。空間が動いている感じとか、音が全体のリズムを命のように育んでいる感じ。舞台作品はひとつの生命だと思っています。宇宙とも言えるけども。ひとつの生命体がそこにあって、その生命体が生まれて終わって行くまでを、つくっているつもりなんです。

南沢

38億年前ですからね、生命誕生。そうですね、なんか、小池さんの舞台を見ていると宇宙空間になったかんじがしますね。

小池

そう感じていただけるのは、とても嬉しいんですね。感性が通じている人は、いいんですよ。ぜんぜん難しくない。子どもも高齢者も年齢はまったく関係なく。でも、感性が閉じちゃって、全部意味で考えて行こうとすると、突然なんだかよくわからない壁が出て来てしまう。


南沢

今の人たちは考える力がなくなってきているって、よく言われますけど、考える力と、小池さんが伝えようとしている感じる力とは、違うものなんでしょうか?

小池

違うともいえるし、一緒とも言えます。考えるのは、知性によってなされ

る。けれど、感性がきちんとあってこそ、知性は養われますからね。感性があってこそ知性が育まれ、知恵が生まれるわけです。知識は別ですよ。学校の勉強やいろんな本を読むことで、知識は得られますが、その知識をどう発展させ方如何で知恵になったりならなかったりするわけです。自分が何を感じているのかという、その入口が明確にないと知恵になって行かないんです。なので、本来「考える」と「感じる」は共通しているところがあります。

南沢

その感性の皿っていうのは、ひとりひとり大きさが違いますよね。

小池

違うでしょう。皿自体はそんなに違わないと思うんですが、それが、教育によって、小さくさせられてしまう。テレビとか、メディアもそうですし、全部お仕着せで、決まり切ったフレームをどんどん出されて、そのとおり考えなさいってなるわけですから。確固たる教育のフレームからどこまで脱することができたか、それによって皿の大きさは変わってくるように思います。

南沢

フレームがきつくなって来ると、小池さんの作品って辛いですよね。そういうの考えると、小池さんの作品が海外で受け入れられるっていうのは、その逆のことが起きているんですか?

小池

海外といっても、いろいろですよね。ヨーロッパ、アジア、アメリカ、どの地域も受け入れ方は多様ですが……。たぶん、スピリットの部分だと思うんですね。スタイルではなくて、スピリットの部分で何かしら深いコミュニケーションは可能になっているというのがあるとは思います。



南沢

そこが言語を越えるんですね。

小池

人間は、それこそ、魂の共有ってあるんですよ。

南沢

ありますね、確かにあります!わたしも、中国語しゃべらないで、中国開拓しましたから(笑)。よくぞひとりで、言葉もわからずに中国に乗り込んで来て!みたいなことを言われて(笑)。

小池

いや、それですよ、結局、スピリットなんですよね。まったくそうだと思いますね。それは、舞台っていうだけではなくて、人にはいろいろなスペースがある、そのスペースを、いまみんな埋める一方になってしまった。それが、これは何か?という根源から問い掛けられるような疑問や、得も言われぬ感動や、ああ、人間ってすごく面白いんじゃないかと思えるような経験など、心底揺さぶられるような感動と出会うことができれば人そのものが変わり得る。それによって自分の中の可能性のスペースもまた、広がるのです。その、可能性を広げる動きを、どこまでつくれるかですよね。

南沢

あー、なんか目指してるところ一緒だ、と思って。今は自立、自分で立つ、自分で率いる、自分で律するっていうところがテーマとしてあるわけですけど、その先は、どうするか、その自立した人たちが、その可能性に向かってどうやって行けるかっていうことがテーマになったので。

小池

いや、ほんとにそうですよね。

南沢

大丈夫です!そういう人いますから。

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