2030世界漂流・稽古場レポート、出演者紹介&インタビュー!
続いては、野瀬山瑞希さん&祭美和さんです!!
野瀬山 母親が幼い頃クラシックバレエを少しの間習っていた影響で、バレエの発表会に連れて行ってもらい、その煌びやかで儚い世界に魅了されたのがきっかけです。 しかし習ったはいいものの、友達と遊んだり、絵を描いたり、外遊びをする事が楽しかった幼少の私は、舞台とは違う地道なバレエのレッスンをあまり好きにはなれませんでした。 ですので、本当の意味でバレエに目覚め真剣にやり始めたのは、10歳の頃からになります。
野瀬山 私は普段、人前に立ったり目立つ事が好きではありません。 しかし、舞台から見える景色、舞台に立っている瞬間がこの上ない幸せです。 練習も楽しくはありますが、私の場合練習は試行錯誤を繰り返し鍛錬する場である為、辛いことの方が多いです。ですので、本番での舞台でのみ、全ての雑念から解放され、目の前にいる観客の方々に自分の全てを捧げ、その世界に存在し没頭することができます。 この感覚は、舞台に立つ人にしかわからないものかもしれません。しかし、この不思議な感覚が私が舞台に立つ理由を教えてくれます。
野瀬山 普段ダンスの舞台で活動している私にとって、本当に新鮮で刺激のある方たちばかりです。どうしてもダンスの舞台ですと身体や技術に捉われがちですが、小池さんの作品では五感、想像力、表現力、身体能力等の人間が本来持っている要素全てが必要とされ、嘘が許されません。今回出演されている方々は自分のジャンルを越えてこういったことに長けている方々ばかりですので、自分の未熟さを日々痛感しますが、毎回見て学ぶ事ばかりです。そして何より、自分が人として生きていることを実感させてくれる、とても貴重で幸せな現場です。
祭
うそをつかないこと、
それから
伝えることに臆病にならないこと。
そのために日々
ニュートラルでいること。
心身の健康!
祭 やりなおしがきかないところ?でしょうか。Show must go on.という言葉の意味が最近やっと染みてきました。 舞台に限りませんが、二度と戻らない時間への、濃密な集中が魅力的だと思います。
祭
国籍や性別、年齢を問わず楽しめることや、驚くほど細部への拘りがあること等たくさんありますが、私が一番魅力を感じるのはやっぱり音です。
劇中曲、みたいに扱うのではなくて、生活音の様に、日常に溢れている音も含まれているところ。
うまく言えないのですが、きっと毎日生活している中で、実際に耳に聞こえる音以外にも頭の中で鳴っていたりイメージとして漂っていたりする音やメロディがあって、逆に鼓膜は振動してても意識に届いてない音も山ほどあると思いますが、そういう全てが舞台作品の空間に溶け込んで漂っている感じ。
音楽だけでなく、声や体から出る音、呼吸や足音や衣擦れや…無音、は厳密にはあり得ないのですが、それも含めて”場”が編み出すリズム全体をイメージしながら、音が紡がれているところが好きです。
そして身体の魅力。人間という生き物はこんなに躍動できて、自由で、生きているのだと実感できる迫力。
祭 今までで一番楽しい現場です。とにかく誰もが皆クリエイションに積極的で目的が明確で、真摯で、心が開いていて…この作品に参加できる毎日か幸せだし感謝です。
祭
意気込みというか、個人的なことになってしまいますがこんな素晴らしい音やリズムを紡ぎ出す太田豊さん、下町兄弟さん、そしてキャストや関係者やお客様の皆様と時間を共有できることの有難さを噛み締めて、毎稽古毎公演を大切に過ごしたいと思います。
見所は、圧倒的な絶望と救いだと思います。今、真面目にマトモに生きようにも管理され息はつまり、短期的ライフハックは不感症におバカになり快楽を求めること、それも結果的に自分の首を絞めるというようなどこを向いても行き止まりという気持ちになりますがそこをひとつひとつ踏みしめてきた漂流者たちがもがき、あがき続けた先にある未来に希望を感じるし
私たちもその地に辿り着きたい、向かっていこうというパワーを感じます。それをお客様と共有できるのが今からとても楽しみです。