第5回出演者インタビュー

2030世界漂流・稽古場レポート、出演者紹介&インタビュー!
第5回は森ようこさん&日下麻彩さんです!

森ようこさんインタビュー

1.「演劇実験室◉万有引力」に所属され、中心的存在として活躍するほか、外部公演への参加や自主企画等にも精力的に取り組まれている森さん。演劇を始められたきっかけはなんですか?

高校1年の春休みに、地元で高校生のための演劇ワークショップをやっていて、そこで出会った人のご縁で“FLIP FLOP”という劇団の公演に参加するようになりまして。その後、自分達で劇団を立ち上げたり、デリシャスウィートスというバンドに参加したり、なんかいろいろやってました。
「万有引力」は高校生の頃から観てたんですけど、まさか入るとは思ってませんでした(笑)
演劇をやりたい!というよりも、そこにいる人たちの生きざまのようなものに惹きつけられた、というのが大きいです。


2.表現することにおいて、大切にされていることはどんなことですか?

豊かな想像力、
果敢な勇気、
血の通った暖かな心を持って、
考え抜くこと、です。


3.「2030世界漂流」は、様々なバックグラウンドを持つ総勢13名の出演者の方との共演となっています。稽古が始まってのご感想をお聞かせください。

小さい頃からバレエや器械体操をやってたり、サーカス学校に行かれてたり、皆さん本当に沢山努力されてきた人達ばかりなので、もう、ついてくのに必死です。やっぱり高い技術ってすごく説得力があるなあと。勿論それだけではなくて、その上に表現力が上乗せされるというか。みんなすごいなーっていつも思います。
自分にはとてもできないようなことも多くて不安になることもありますけど、それじゃあこんな今の自分には一体何ができるんだろうかと、、、今まで何をしてきて、これから何をしたいのか、表現するということに限らず、日常生活、生きてくことそのものについて、人と、世界と、どう関わっていくかということをすごく考えさせられてます。

4.「2030世界漂流」の役作りで苦労されていることや、取り組んでいることについて教えてください。

風邪をひかないことです。笑





日下麻彩さんインタビュー

1.シンガー、役者として、クラシックやポピュラーミュージックのテクニックを取り入れつつ、様々な地域に伝わる民俗芸能に積極的に触れ、その溢れ出る身体エネルギーの根源を探っている日下さん。表現することにおいて、大切にされていることはどんなことですか?

日下 「繋がろうとする」ことです。
それは心の繋がりであったり、文化の繋がりであったり…相容れぬ者同士の、接着剤のような存在になりたいと願っています。きっと誰しも"繋がりたい願望"を持っていると思うんです。でもそれには本来とても時間がかかるし、そもそも完全に繋がることは不可能だし、時に傷つくこともあるし…とにかく面倒くさい。だから人は箱の中に閉じこもる。特定のグループに所属して一時の安心を得ようとする。
私は、この硬い箱を抜け出して、広い見晴らしの良い空間で、見知らぬものにたくさん出会える瞬間を、共演者と、そしてお客様と共有したいんです。小池さんの作り出す混沌とした世界観に、かなり通ずるところがある気がしています。


2.「2030世界漂流」参加のきっかけ、小池作品の魅力についてお聞かせください。

日下 初めて拝見した時の第一印象は「なんだこれは?!」でした。
歌や、言葉を主とする演劇をやってきた私にとって、小池さんの生み出す超全体的な劇場空間は、焦点の置き所に一瞬戸惑うものでした。でも小池さんが開幕前にお話していたのです、「意味が分からなくても良いんです。」と。その言葉を思い出し、もう一度、作品の中へ自分の心を投げ込んでみました。
するとどうでしょう…?
見る見るうちに、舞台上で起きていることは自分の事のように身体に流れ込み、深い深い底の方から記憶が呼び起こされ、小さな痛みを感じ、鼓動が早まり…苦しみは急速に増して…とうとう耐えきれなくなりそうになった、最後の一瞬。ふっと青空を見せてくれるような。それはもうとても豊かな…大切な時間となりました。どうか、小池作品ビギナーの皆さんも、新しいチャンネルを開設して、心をフリーにして観てみて欲しいです。

3.「2030世界漂流」は、様々なバックグラウンドを持つ総勢13名の出演者の方との共演となっています。稽古が始まってのご感想をお聞かせください。

日下 生まれや文化、キャリアが違えば、当然出てくるアイディアもバラバラ。
でも今回の共演者達はみんな、他を受け入れる、やわらかい心と身体を持った人たちでした。だからすごく面白い。
何となく似たり寄ったりの形に整えようとするのではなく、お互いに共鳴し合って、自分の特性はそのままに、身体がどんどん新しい言葉を覚えようとしています。嬉しい!
磨きのかかったパフォーマンスは、驚きを呼び、時に笑いを呼び…グググっとお客様の心をつかむことでしょう!私も頑張ります!







森ようこ
【森ようこ(Yoko Mori) プロフィール】
2002年より演劇実験室◉万有引力所属。以降、全作品に出演。 近年では2016年『奴婢訓』“ダリア”役、2017年『レミングー壁抜け男ー』“影山影子”役等、中心的存在として活躍するほか、外部公演への参加、自主企画等も精力的に行う。



日下麻彩
【日下麻彩(Maaya Kusaka)プロフィール】
埼玉県出身。東京藝術大学声楽科、ミュージカルアカデミー(tma)卒業。シンガー、役者としてパフォーマンスする他、ボーカル講師、また詩作やコンサート企画などのクリエイティブな活動も行う。クラシックやポピュラーミュージックのテクニックを取り入れつつ、様々な地域に伝わる民俗芸能に積極的に触れ、その溢れ出る身体エネルギーの根源を探っている。主な出演作にミュージカル「WORKING」グレース役他、「bare」ダイアン役、「カゴメ劇場2017」月の女神役など。
2015年にはソプラノシンガーの田村幸代、作曲家の上水樽力と、歌曲集「日常に捧げる五つの小さな歌」を共作。



【2030世界漂流公演情報】
◆公演日程:2018年2月3日(土)~2月12日(月・祝) 全12公演
◆会場:吉祥寺シアター
◆チケット(全席指定席):
一般発売開始:2017年12月2日(土)10:00~公式HPのチケットフォームにて開始