第6回出演者インタビュー

2030世界漂流・稽古場レポート、出演者紹介&インタビュー!
第6回は佐久間文恵さん&福島梓さんです!

佐久間文恵さんインタビュー

1.8歳から新体操をはじめられ、小池博史の舞台芸術の学校(P.A.I.)を卒業し、現在ソロ活動や作品創作に取り組まれている佐久間さん。新体操や身体表現を始めたきっかけはなんですか?

佐久間 新体操は、オリンピックの体操を見て、器械体操がやりたかったのと、漠然とサーカスに憧れていたのがきっかけで、始めました。
非日常的な動きに魅力を感じ、見ていて異世界に引き込むようなこところに憧れがありました。身体表現は大学の授業で、里見まり子先生に出会ったのがきっかけです。
始めは即興で動くことが恥ずかしくて苦手で固まっていました。続けるうちに、体ひとつで色んなことができることがおもしろくて、のめり込んでいきました。

2.表現することにおいて、大切にされていることはどんなことですか?

佐久間 "純度の高いものを"ということを心がけています。一瞬一瞬、密度濃く生きられるように、存在できるようにと思っています。

3.舞台でのパフォーマンスはどんなところが魅力ですか?

佐久間 なんといっても、"生"であるということ。
生身の人間の、微細な体の動き、呼吸、表情から、波動のように直に伝わっていくのが魅力だなぁと思います。
そして、目には見えないけれど、空間全体の空気感やうねりみたいなものも、舞台ならではだと思っています。
「2030世界漂流」は生演奏ということもあり、もうすんごいことになっているんじゃないか?!と楽しみにしています。

4.「2030世界漂流」参加のきっかけ、小池作品の魅力についてお聞かせください。

佐久間 私は、大学在学中にパパ・タラフマラの「三人姉妹」を見て、人生が変わったと思うくらい(もし見ていなかったら、今踊っていなかったかもしれません)、感動し衝撃を受けました。
舞台芸術の学校(P.A.I.)卒業後は、いつか自分もそんな作品に関わりたい、と思っていたので、オーディションを受けました。
小池さんの作品は、人がよく見えてくることが魅力だなと思っています。役を演じているというより、本当に存在した人間がそこにいるような。人の内面が滲み出ていて、人間の持つ色々な面が見えてきて、リアルに伝わってくるものがあります。
そしてやっぱり、作品の中で言葉、踊り、音楽、美術、映像などなど、あらゆる要素が存在しているところです。それが、五感を満たし、体の細胞レベルが歓ぶような感覚が私にはあり、そういう作品は、なかなかないような気がします。

5.「2030世界漂流」は、様々なバックグラウンドを持つ総勢13名の出演者の方との共演となっています。稽古が始まってのご感想をお聞かせください。

佐久間 みなさん本当に多彩で、多才で、日々たくさん刺激を受けています。
アイディアも豊富で、そんなことができるのか!と、クリエーションがとても面白いです。
バックグラウンドは様々ですが、稽古を重ねるにつれて、運命共同体のような、じわじわと繋がっていくような感じがしています。

6.「2030世界漂流」の役作りで苦労されていることや、取り組んでいることについて教えてください。

佐久間 役柄に含まれる言葉を調べたり、それってどういうことかなと考えてみたり、イメージする人物の写真を集めてみたり、見た目や性格等を想像して書き出してみたりしました。
自分と役とのコネクトができていないなと思うことがあり、日々稽古でも、こんな一面があるのか!と気づくので、まだまだ掘って、探っているところです。

7.「2030世界漂流」の見どころ、作品への意気込みを教えてください。

佐久間 色とりどりの13名に、音楽家の方の生演奏に、映像にと、見どころに溢れております!!
いろんな人物が登場しますが、あらゆる状況のなか、なにかを抱えつつも生きていく様に、ぜひご注目ください!なにか活力となりますように。全身全霊でがんばります!





福島梓さんインタビュー

1.フリーの俳優・ダンサーとしてNODA・MAP作品、福田善之作品、スズキ拓朗作品、TV-CM、アーティストのPV等、様々なジャンルで活躍されている福島さん。3歳からのバレエや、演劇を始められたきっかけはなんですか?

福島 もともとは、内足が酷く自分の足につまずくほどだったのを見かねて母がバレエに通わせてくれたそうです。
小学生の頃には、踊ることが大好きになり、自然と板の上で生きていく以外考えられなくなっていました。高校生まではバレエ一筋でバレエダンサーになることが目標でしたが、怪我などがキッカケで、他の表現方法にも興味を持つようになりました。母はフルート奏者なこともあり音楽に触れる環境に育ってきたので楽器や歌うことも好きでした。
それで、歌を勉強し音大に入ろうと浪人生活を送ったこともありましたが、浪人中に桐朋学園の演劇科のパンフレットを見て、演劇の基礎から、様々なジャンルのダンスや歌、表現方法が学べるカリキュラムこそ自分が求めているものだと確信し、演劇科への入学を決意しました。


2.「2030世界漂流」参加のきっかけ、小池作品の魅力についてお聞かせください。

福島 小池さんの作品をパパタラ時代、7〜8年前に拝見した時から虜でした。声、身体、ダンス、演じること、生演奏 etc...全てを融合させたパフォーマンスは、正にずっとやりたかった事。出演者の魅力や能力を最大限に生かし体現する小池さんの演出の巧みさもそうですが、根底にあるメッセージ性の強さにも惹かれました。参加する事は長年の目標でした。
中学生の時、英語のスピーチコンテストで『Hopes for World Peace』というタイトルで都大会まで進んだことがあったのですが、あの時はNY同時多発テロの後で。世界平和について子供なりに考え始め、舞台芸術に国境はない、私はダンサーとしてその架け橋になりたい、と夢を語っていました。その夢はまだまだ実現できていないので、今回の『2030世界漂流』のようなテーマに参加でき、初心に返るような、身が引き締まる気持ちです。研究者だった父を一年前に癌で亡くしているのですが、父が亡くなる間際まで論文に書き進めていたテーマは『寛容とは何か』。
いつの時代も、紛争や差別の原因は宗教、民族の違いや異なる意見を持つ者への不寛容。私自身も世の中に対して知らないことやわからないことが多すぎるのですが、父の遺した論文を読んでからもぐるぐると考えていたことと、この『2030世界漂流』が凄く繋がっていて。
多くの人にこの『2030世界漂流』観てもらい、自分たちの生きる世界について考えてもらうキッカケになればと思います。

3.「2030世界漂流」は、様々なバックグラウンドを持つ総勢13名の出演者の方との共演となっています。稽古が始まってのご感想をお聞かせください。

福島 皆さん、それぞれの分野で高いスキルを持っているのに謙虚で開かれている。常に自分に足りないところを補おうと、自分にない部分を持っている共演者から学ぼうと貪欲だし、柔軟で魅力に溢れる方ばかりです。
それぞれアプローチの仕方も違うけど、ひとつの道を極めようとして身についてきた心構えは全てに通じるんですね。互いに尊重し合い、切磋琢磨できるとても良い稽古場だと思います。


1枚目 photo/Shawn Byron Danker





佐久間文恵
【佐久間文恵(Fumie Sakuma) プロフィール】
8歳より新体操を始める。
宮城教育大学体育・健康コース卒業。
同学にて里見まり子氏に身体表現を学び、踊りの世界がぐんと広がる。
在学中にパパ・タラフマラの「3人姉妹」を観て衝撃をうけ、小学校で働いたのち、演出家小池博史の舞台芸術の学校(P.A.I.)に入学する。
現在はソロで踊り、作品の創作もしながら、唯一のものを模索し、修行している。



福島梓 photo/Shawn Byron Danker
【福島梓(Azusa Fukushima)プロフィール】
3歳よりバレエを始めボリショイバレエ学校教授陣らに師事。橘バレエ学校入学。AMスチューデンツ、日本ジュニアバレエ合格。新国立劇場バレエ団の子役等で出演。埼玉全国舞踊コンクール朝日新聞社賞受賞。桐朋学園芸術短期大学専攻科演劇専攻修了。
現在はフリーの俳優・ダンサーとしてNODA・MAP 作品、福田善之作品、スズキ拓朗作品、TV-CM、アーティストのPV等、様々なジャンルで活動。Azusa Ballet Classバレエ講師。
自身で立ち上げた声×身体×音楽【あそぼ企画】でも創作活動を続けている。
◎福島梓twitter: @azudayo
https://mobile.twitter.com/azudayo



【2030世界漂流公演情報】
◆公演日程:2018年2月3日(土)~2月12日(月・祝) 全12公演
◆会場:吉祥寺シアター
◆チケット(全席指定席):
一般発売開始:2017年12月2日(土)10:00~公式HPのチケットフォームにて開始