ディレクターノート
世界を論じる会議を開く。が、これは亡霊による言葉の少ない会議。
ディエゴ・リベラというメキシコの壁画家を知っているだろうか? リベラはフリーダ・カーロの夫で、彼女を苦しめた放蕩男としても知られる。ぼくはそんな男の画が大好きだ。彼の画は聖俗、生死が一体化しながら、ニタリと笑える高みに達している。この作品はリベラへのオマージュではまったくないけれど、あの、歴史的断層のない(と感じられる)国の感覚はきわめて大切だと思っている。生きた者も死んだ者も一緒くたにして、時間と空間を見通す感覚が彼(か)の国にはある。滑稽だ。笑っちゃえるし、グロテスクで情けない。
ぼくは亡霊を通して現在を見たいと思った。いかにおかしく、いかに悲しく、ネジがひん曲がって言葉が軽くなってしまっているか。
悲しくも情けなくも楽しくも、そうでありながら格好よくもある「世界会議」。
ピーヒョロロ。
演出家 小池博史
写真館
公演イメージの参考に小池博史ブリッジプロジェクトの過去の公演写真を掲載します。
ご観劇の参考にしていただければと思います。
『銀河鉄道』より
『マハーバーラタ1』より
『風の又三郎 -ODYSSEY OF WIND-』より
『注文の多い料理店』より
『風の又三郎 -ODYSSEY OF WIND-』より
『マハーバーラタ1』より